ゼロカーボンビーフへの道Ⅹ ~垂直ソーラーパネルを利用した営農型自家消費型発電によるGX
ゼロカーボンビーフ 投稿日:2026年02月05日
2025年12月にゼロカーボンビーフプロジェクトにおけるGX事業の一環として、北海道白老牧場の採草放牧地にて垂直ソーラーパネルによる自家消費型太陽光発電が始まりました。
垂直型太陽光発電は、一般的な太陽光発電のように太陽へ向けて、地面や屋根にソーラーパネルを設置するのではなく、地面に対し垂直にソーラーパネルを設置しています。
一般的な太陽光発電では太陽光に対し、ソーラーパネルが重ならないように並べて設置する必要があります。そのため、発電量(設置パネル)に比例した面積(パネル数×面積)が必要となります。
一方、垂直型太陽光発電では、ソーラーパネルを垂直に設置&両面パネル&垂直方向に重ねることが可能ですので、従来の設置方法に比べ、大幅に面積を抑えることが可能です。
たとえば、敷島ファームでは両面パネルを1スパン2段で設置しています(写真参照)。両面2段なので、従来型とすると1スパンで4枚のパネルが設置されていることとなります。
パネルは1枚1.1m×2.2mほどあります。4枚を並べて設置する場合、メンテナンスを考慮すると15㎡ほど必要となりますが、垂直設置であればメンテナンスとしてパネル両面に1mほどのスペースを考慮しても、必要な面積は1スパンあたり4~5㎡となります。

なお、写真を見ていただくとわかりますが、垂直ソーラーパネルを設置する上で本当に必要とする面積は、接地する架台部分(フレームの足)のみになります。このポイントが、わたしたち農業者にとって重要となります。
従来型の太陽光パネルを農地に設置する場合、農地としての利用と発電の両立は極めて困難です。たとえば、採草放牧地に従来型のパネルを設置する場合、日照や採草・放牧の妨げにならないよう架台を高くしたり間隔を広く開けるなどの対応が必要となります。
一方、垂直設置では架台部分のみという最低限の土地占有で済むだけでなく、もともと設置されている牧柵との交換や、土地・区画の境界に設置することにより、営農に影響がないだけではなく野生動物の侵入防止強化などのメリットもあります。
白老牧場では牛舎エリアと採草放牧地の境界に設置しています。単管パイプ柵や電気牧柵の代わりに設置となりますので、設置による影響はまったくありません。メンテナンスエリアやパネル下に牧草が生育していても発電やメンテナンスには問題はありませんので、設置により農地転用が必要となった(農地として利用できなくなった)面積は100mあたり20㎡ほどで済みました。
農業者にとって垂直ソーラーパネルによる発電は、大切な農地の利活用を妨げることなく、電力の確保と太陽光発電によるGX=GHG削減を同時に実現する取り組みといえます。
◆垂直型太陽光発電のしくみ

敷島ファームでは、同発電所で発電した電気を堆肥化やペレット化に必要な電力や施設内の電灯などに利用します。エネルギーを自家消費型の太陽光発電=クリーンエネルギーへ転換することにより、Scope2の削減を推進するGX事業の一環となります。
わたしたちは、GHG削減効果や営農地との親和性など様々な視点から検証をすすめていきます。


