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株式会社敷島ファーム
栃木県那須郡那須町高久丙1796

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敷島ファームが担うSDGsⅣ ~耕畜連携で地域活性化とGHG削減~

サステナブル

敷島ファームでは2014年(平成26)から西郷村農業公社(元西郷村飼料稲推進協議会)とともに耕畜連携(飼料稲ホールクロップサイレージ/WCS)をおこなっています。

耕畜連携で提供する堆肥は大量になります。品質を揃え効率的に大量生産し提供する為、構築連携用の堆肥は大規模堆肥製造施設がある那須第5牧場(那須町大島)で製造しています。

この那須第5牧場は那須町と西郷村の境にあり、牧場から直線距離で200m進むと西郷村に入ります。

西郷村との耕畜連携に取り組んだ理由は、距離的な近さもありますが、一番の理由は西郷村が耕畜連携事業にとても一生懸命に取り組んでおり、同事業を推進していた西郷村飼料稲推進協議会(当時)が”複数の耕作農家をとりまとめ、大量納品に対応”していただいたことにあります。

敷島ファーム全体で約11,000頭の黒毛和牛を飼育しており、那須エリアだけでも4000頭を飼育しています。そのため給餌する飼料もたくさん必要になります。敷島ファームのような大規模農家が、耕畜連携に取り組む場合にネックとなるのが”同一の飼料を(できれば同一品質で)継続的に給与できる量を確保すること”にあります。

給餌は”飼料設計”により、牛たちの状態(年齢や妊娠状態等)に応じて最適な栄養価をしっかりと計算された内容で給与しています。

様々な種類の飼料や品質が一定しない飼料を無計画に給与すると、栄養の過不足や偏りが発生します。繁殖母牛であれば分娩事故や出産率にも影響しますので、飼料設計はとても重要になります。

新しい飼料を給与する際は、成分分析を行って新しい飼料設計を構築します。せっかく再設計しても給餌する飼料がまとまった量確保できない場合は意味がありませんので、継続的に同じ飼料を給与できる程度の量を確保する必要があります。

そのため、敷島ファームのような大規模農家が耕畜連携で必要な量のWCSを確保するためには、たくさんの耕作農家と連携(契約)が必要になります。

個々の農家と連携(契約)するには時間と労力がかかります。品質・量・価格はもちろんですが、設備なども検討が必要になります。例えばWCSは「刈り取り>ロール>ラッピング>輸送」の工程でラップマシンなど特殊な機材が必要になりますが、一般的な稲作農家では所有していないことも多いので、機材の確保がネックになり連携が難しい場合もあります。

その点、西郷村との耕畜連携では公社が複数農家をとりまとめ、耕畜農家間の橋渡しをおこなっていただきますので、生産農家の皆さんともスムーズに進めることができています。


耕畜連携は循環型農業として知られていますが、近年は持続可能(サステナブル)な農業や輸入飼料の輸送で発生する温室効果ガス(GHG)削減などの面でも注目されています。

さらに、世界的なエネルギー価格の上昇やウクライナ侵攻による影響、世界的な穀物需要の増加は、輸入飼料の高騰だけではなく、飼料同様に輸入原料に頼る化学肥料についても、今までにない高騰状態となっていることから、国内資源の循環による耕畜連携はますます注目されており、その重要性も高まっています。

もともと耕畜連携は、私たち畜産農家と稲作などを生産する耕作農家が提携することにより、畜産農家は堆肥処理先や国産飼料の確保、耕作農家は収益確保や農地維持などにより、地域資源の利活用による農畜産業を活性化させることを目的とした取り組みになります。

特に農畜産業が主力産業となる地域での離農や休耕は、農地荒廃や過疎化などにつながりますので、耕畜連携による農畜産業の活性化は、地域全体の活性化につながる取り組みとして実施されてきました。

敷島ファームと西郷村との耕畜連携が開始された10年ほど前は、安い輸入飼料が潤沢に手に入りました。そのため、安価な飼料を安定して購入というメリットよりも、国産飼料という安心感やネームバリュー、堆肥の新規提供先開拓による流通促進、プロジェクト参加を通して地域産業との共存共栄や活性化などが耕畜連携の意義となっていました。

ですが、近年は開始当時は想定していないような情勢により、輸入飼料や化学肥料が急激に高騰しています。輸入資材に依存してきた日本の農業のあり方が大きな見直し転換期をむかえている現在、畜産農家にとって耕畜連携は貴重な国産飼料を安定して入手するための重要な取組みであり、耕作農家にとっても有機肥料を安価・安定して入手できる取り組みとして、日本各地で導入が進められています。


敷島ファーム那須牧場と西郷村の耕畜連携は大きな成果をあげています。その取り組みを参考に、2023年から7000頭の黒毛和牛を飼育する敷島ファームの主力拠点、北海道白老牧場でも北海道屈指の稲作地帯となる道央圏の稲作農家との耕畜連携事業が開始されます。

2022年秋には北海道から耕畜連携事業の関係者の方々が西郷村を訪れ圃場見学や説明会が実施されるなど、着々と準備が進めれています。進捗は活動報告で順次発信していきます。

耕畜連携でGHG削減

温室効果ガス(GHG)による地球温暖化の問題では、かつてはフロンガスや化石燃料由来のCO2に注目されてきましたが、ここ数年は農畜産で発生するメタンガス(CH4)や亜酸化窒素(N2H=一酸化二窒素)への関心が高まってきました。

敷島ファームでは、牛たちが排出するGHGの削減につながる給餌飼料や堆肥処理方法などの研究や取り組みをおこなっていますが、植物によるCO2の吸収や土壌固定、森林活動などのカーボンオフセットにも取り組んでいます。

様々なGHG削減やオフセットの方法がありますが、輸入飼料を国産飼料に置き換えることもGHG削減につながる取り組みになります。

敷島ファームに限らず、牧草が豊富な北海道以外での養牛には輸入飼料が多く利用されています。輸入飼料は主に北米やオーストラリアから運ばれてきますが、輸送には化石燃料がエネルギーとして消費され、化石燃料由来のCO2が大気中へ排出されます。

原材料調達に関わるGHG排出をGHGプロトコル(国際的な排出量算定ルール)では、スコープ3間接的なGHG排出といわれます。

つまり、海を越えて数千キロ輸送されてくる輸入飼料から国産飼料へ転換することは、スコープ3のGHG排出量削減につながります。

耕畜連携で入荷するWCSは”極めて近隣で生産された飼料”なので輸送距離は最低限になります。放牧や自給飼料と同様にGHG削減効果が大きく期待される飼料といえます。

耕畜連携は国産飼料確保、農地保全、地域振興、地球環境配慮など様々なメリットがある取り組みになります。敷島ファームはこれからも地域の皆さんとともに、耕畜連携事業を推進していきます。