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株式会社敷島ファーム
栃木県那須郡那須町高久丙1796

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ゼロカーボンビーフへの道Ⅴ ~ジャイアントミスカンサスの炭素土壌貯留能力の解明へ~

ゼロカーボンビーフ

「ゼロカーボンビーフプロジェクト」の一環として2022年6月よりスタートした巨大ススキ「ジャイアントミスカンサス(GM)」「エリアンサス」植栽プロジェクトは2023年に新たなステージをむかえました。

GMやエリアンサスはバイオマス資材として注目されていますが、敷島ファームでは荒廃地や傾斜地など条件の厳しい土地でも20年以上にわたり繁茂する強い植生と、飼料・敷料化や土壌への炭素貯留能力の期待から、植栽を進めています。

2022年は10年以上耕作地として利用されていなかった土地1.1haへ、GM5000本、エリアンサス500本を植栽しましたが、2023年は砂利採取後の土地に昨年同様の規模で植栽を実施しました。

砂利採取は白老町をはじめ、日本各地で行われておりますが、採取後の土地は立地等の理由から遊休地化しやすい傾向にあり、埋戻し資材(残土)によっては植栽も容易ではない場合があります。

今回は土地利活用プロジェクトに賛同の㈱ケイホクより試験用として土地を提供いただき、GMの植栽を実施しました。

GM植栽は、大切な土地を荒廃・遊休地化させずに、炭素貯留や緑化として利活用につながりますので、多くの方から注目されています。

GMの炭素貯留能力解明へ向け東京農業大学との共同研究開始

GMは、1haあたり50t-Co2/年という高い炭素吸収&土壌貯留能力があるといわれています。

ですがその能力についての明確な数値化までは確立されていません。また、炭素吸収・固定量の指標としてJクレジットなど、クレジット化についても手法が確立されていません。そのため、どれだけ植栽しても「〇〇t-CO2固定しています」とグローバルに宣言したり、GHGプロトコル等において自らの排出量と相殺などに反映させることができません。

また、GMは比較的容易に植栽・維持・伐採が可能となっています。

植林は炭素吸収・固定が認められていますが、間伐など維持管理が必須なだけではなく、一度植林すると農地への回復が困難などハードルは高くなります。一方GMは維持の手間が無く、農地への回復も容易なことから、利用する予定の無い期間、大切な土地をただ荒廃させてしまうのではなく、地球環境のため炭素貯留固定に活用する為のツールとして有効といえます。

敷島ファームが推進するゼロカーボンビーフプロジェクトをグローバルに発信していくためには、漠然としたものではなく、しっかりとしたエビデンスが必要と考えています。

GMの炭素貯留能力はいつか解明・確立されるかもしれません。ですが少しでも早くGMの有効性やゼロカーボンビーフプロジェクトの成果を広く発信していく為には、自らが率先して研究を進め、数値化することが必要との結論に至りました。

そのような中、2022年より敷島ファームのGHGアドバイザーとしてご協力いただいている農林中央金庫のご尽力により、GMの炭素貯留能力解明について、東京農業大学との共同研究が実現しました。


GM植栽&土壌サンプル採取

青々と茂る2022年植栽のGM(白老試験圃場2023.6撮影)

GM炭素貯留能力の解明に向けた研究は、昨年植栽した敷島ファーム白老試験圃場の土壌サンプル採取から始まりました。

昨年植栽したエリアの植栽地と周辺地から各3カ所、今年植栽地で3カ所の計9カ所を調査対象ポイントとして選定し、深度70センチの調査穴を掘り、10センチごとに土壌サンプル採取と硬度測定を実施しました。調査位置はGPSで記録され、継続的に炭素貯留量を計測していきます。

3日間にわたる採取作業には、研究に携わる東京農業大学中島先生と同校生徒さんのほか、農林中央金庫の当社GHGコンサルティング担当の方々にも参加いただきました。


東京農業大学や農林中央金庫の皆さまには、昨年に引き続きご参加いただきました室蘭工業大学の先生や関係者の皆さまとともに、GM植栽にもご参加いただきました。

2023GM植栽(北海道白老町飛生2023.6.24)

前記のとおり、今回は砂利採取後の土地への試験植栽となっています。

砂利採取は北海道白老町をはじめ多くの地域で行われている産業ですが、採取後の土地は様々な要因から遊休地化する傾向にあります。

今回は採取後の土地を敷島ファームの堆肥で土壌改良してGMを植栽しました。

今回の植栽地では土壌への炭素貯留の推移や、遊休地利活用への有効性、土壌環境における生育状況検証などをおこなっていきます。

研究の進捗や成果は東京農業大学からの発表や、当社活動報告で発信していきます。


今回の植栽は地元紙(苫小牧民報・室蘭民報)にも掲載されました。

https://hokkaido-nl.jp/article/29891

https://hokkaido-nl.jp/article/29871

※掲載は予告なく移動または終了の場合がありますことご了承ください。


「ジャイアントミスカンサス」
オギとススキの自然雑種。日本由来のイネ科多年生(和名オギススキ)。草丈3m程度。北海道など冷帯地域でも栽培可。バイオマス燃料・家畜飼料/敷料への活用が期待のほか、年50t-Co2/haともいわれる吸収/土壌貯留によるGHG固定効果にも注目。

「エリアンサス」
イネ科の多収多年生作物。東北南部・関東北部の低標高地が栽培北限とされている。草丈は3~4m程度まで育つ。手間がかからず収量が高いことから、バイオマス燃料・家畜飼料/敷料への活用に期待されている。